飲食店の経理

飲食店経営者に知っておいて欲しい、今日から使える経理帳簿の保管法

居酒屋専門・客単価UPコンサルタント/税理士 林 良江です。

あなたは、こんなセリフを言っていませんか?

「その書類なら、捨ててはいないです。
多分『あそこ』にある筈ですから、確認してから連絡します。」

飲食店の決算を集計しているときに、必要な書類が足りなくてお手元に無いか確認すると
こんな感じの、返事をされる経営者が一定数いらっしゃいます。

珍しい話ではありません。
多くの飲食店経営者は、今まで適当に書類を保管してきました。
それは、合理的な保管法をご存じなかったからです。

今日、この記事で合理的な保管法を知り、実践していただければ、書類を探す時間は従来の1/10程度まで減らせます。

タイム イズ マネー

大切な時間を、書類探しという利益を生まないことに消費するのは、今日限りにしてください。

おススメの書類の保管法はコレだ!

帳簿保存

領収書以外の書類(店内に入ってきた紙類)は、難しいことを考えないで、とにかく書類が入ってきた日付順にファイリングする。

ファイルが一杯になったら、次のファイルに替える。
一杯になったファイルの表紙に、いつからいつまでの分が綴じてあるのか日付を明記しておく!
月毎に変える必要はありませんが、決算はまたがない。

これだけです。

※領収書は、別に綴じてください。

なぜ書類を紛失するのか?

あなたも、大事な書類が見つからず心当たりの場所を、アチコチ引っ掻き回したって経験、あると思います。

お店には、税金計算に必要な経理帳簿の他にも、大切な書類は沢山あります。
DMでも、気になるものってありますよね。
書類の種類の関わらず「後でもう一回見たい」「重要そうだな」と、あなたのアンテナに引っかかったものは全てファイリングして、その他のものは、捨ててください。

こうしておけば、何かあった時は、このファイルを見れば、ほぼ解決します。

そもそも、書類が見つからなくなる原因は、片付ける場所が複数あるからです。

片付ける場所を1か所に限定すれば、『探す』必要はなくなります。

飲食店あるある

飲食店の現場でよくお見かけするのが
ファイルの背表紙に取引先の名前を書いて、取引先毎にまとめて綴じておく方法です。

この方法のメリットは、取引先別に年間の取引状況を調べたりするには有効です。
但し、そういった機会は、決算の時くらいでしょう。

一方、この方法のデメリットは、どのファイルにも該当しない書類が必ず出てくることです。
で、迷っているうちに次の書類が送られてきて、ドンドン収拾がつかなくなる。

実は、よくある話です!

ご利用者の声

先日、名古屋市内で居酒屋の経理に従事しているHさんから、先日こんなメッセージをもらいました。

今、保存期間を過ぎた帳簿書類をシュレッダーにかけています。
書類は、林さんに教えて貰った、「日付順のファイル」になっています。
ですから、保存期間が過ぎたファイルは、無条件に上から順番にシュレッダーをかけることができるので、ものすごく楽です。

以前は、ファイルの背表紙に取引先の名前を書いて、取引先毎にまとめていました。
この方法だと、古い書類が下になっており、処分するたびに書類の入れ替えをしていたので面倒でした。

ですが、「書類は日付順に綴じてあれば十分。」
という(林の)Facebook投稿を読んでから、保存方法を変えて、 今も引き続き日付順で保存しています。

この方法の良いところは

  • 他のスタッフが驚くほど、ちゃんと該当の書類を見つけ出せる
  • 書類の破棄が簡単

些細な事のようですが、本当に助かっています。
一言お礼が言いたくて、メッセージしました。

てな具合にファイリングされた書類は、そのまま経理帳簿として保存されます。
では、引き続き経理帳簿の決算後の保存についてお伝えします。

その前に経理帳簿の保存期間を確認しましょう。

決算後の経理帳簿の保存期間

厳密にいうと、書類の種類別に保存期間が決まっています。
しかし、書類は事業年度ごとに分けられているはずです。
ですから、書類の保存期間が過ぎて破棄するとしたら、事業年度ごとになります。
よって、難しい書類の区別などは考慮せず、各書類の一番保存期間が長いものをお知らせします。

法人の場合 10年

個人の場合  7年

法人に関しては、欠損金の繰越期間が9年に延長されました。
9年分帳簿書類が保存されていないと、欠損金の繰越控除ができません。
ですから、法人の場合は、7年ではなく9年です。

ただし、会社法の規定まで考慮すると10年になります。

保管スペースの整理をしよう

前準備

難しい理屈は抜きにして、あなたの場合の保存期間が何年なのかが確認できたら
年数と同じ個数+1個(法人なら11個、個人なら8個)の蓋なしの段ボール箱かコンテナを準備します。

段ボール箱には
事業年度と後から取り外せる大きめの付箋を貼った、札を付けます。

付箋には
法人の場合なら直近の事業年度に『10番』その前年を『9番』
個人の場合なら直近の事業年度に『7番』その前年を『6番』といった具合に『1番』までの数字を書きます。

また、事業年度は、和暦と西暦の両方を書いておくと便利です。

こうすると、札のつかない段ボール箱が1つできます。
これには、保存期間が過ぎた書類を入れていきます。

準備が出来たら、段ボール箱をもって、保管スペースに足を踏み入れます。

ステップ1

手前にある書類から、該当する事業年度の段ボール箱に入れていきます。

段ボール箱の大きさによっては、もう1セット必要になる場合もあるかもしれません。

今ある書類は、事業年度別に分けるだけです。
これ以上、手は掛けません。

法人なら11年、個人なら8年以上前のものは、札なしの段ボール箱に入れます。

一旦保管スペースの書類を全てどれかの段ボール箱に入れてしまいます。

ステップ2

札なし段ボール箱は、保管スペース外に運び出します。

次に、事業年度が書いてある段ボール箱を並べます。
並べる順番は、手前に古いもの。
つまり『1番』の付箋がついた段ボール箱、そこから順に数字が大きくなるように並べていきます。

一列に並べられない場合は、ラックを購入して許されるスペースに並べます。
並べることができたら、付箋は外してもらって構いません。

ステップ3

札なしの段ボール箱が空になったら、ここには、進行期の書類を入れていきます。
決算が終わるまでは、出し入れしやすい場所に仮置きします。

決算が終わったら、上記で説明したファイルや領収書も入れて、列の一番奥に並べます。

ところてん式に、一番古い事業年度の箱が飛び出してくるので、これの中身を破棄します。

段ボール箱が空いたら、進行期の書類入れにしていきます。

あとは、この繰り返しです。

結論

法律では、書類の保存期間は決めていますが、その保存方法については、一切言及していません。
つまり、「捨ててなければいい」という考え方です。

だったら、少しでも簡単に済ませませんか?

普段の書類の保管法が、そのまま帳簿書類の保存法になる日付順綴り

よかったら、あなたのお店でも試してみてください。

付録 納品書について

法律上、納品書も請求書などと同様に保存義務があるとされています。

しかし、弊所の顧問先には
「納品書は、その内容が記載されている請求書の内容確認が済んだら破棄してもいいですよ。」とお伝えしています。
一応、一ヶ月くらいは保存しておいてもらっていますが、請求書の金額に間違いがなければ、同じ内容の書類を2種類保存する意味はないからです。

で、今に至るまで、納品書が保存してないからと、税務署に注意を受けたことはありません。

とはいえ、税務署の調査の際、よりどころとなるのは、税理士です。
納品書については、一度、税理士さんに確認されることをお勧めします。

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このブログを書いた人

林 良江
林 良江居酒屋専門・客単価UPコンサルタント/税理士
居酒屋を中心に飲食店を繁盛継続させる、お手伝いをしております。
飲食店の経営数値を分析して、お店の強みに着目した経営指導には定評があります。

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