お疲れ様です、林 良江です。
今回は、飲食店における電子帳簿保存法に対する取組を
- 電子帳簿保存法の改正により取組まなければいけないこと
- 飲食店の悩みのタネ、ジャーナル(お店保管用のレシート)・会計(オーダー)伝票の扱い
の2点に絞ってお伝えします。
1.飲食店が電子帳簿保存法の改正により取り組まなければいけないこと
帳簿保存の原則
誤解のないように、最初に申し上げます。
書類の保存は
「紙で貰って、紙で保存する」
が、原則です。
一方で、社会情勢の変化を鑑み
電子データでの保存も
例外ながら認められきました。
飲食店においても
軽減税率が始まったころから
POSレジが普及し
売上データをクラウド上で
管理されているお店が
増えました。
実は、クラウド上に保管されている
売上データは
例外的に認められてきた
電子データでの保存です。
電子帳簿保存法が変わった理由
ネット環境が整い、企業を取り巻く商慣習は大きく変わりました。
その結果として
- 書類は、かさばる
- ペーパーレス化が進んでいる
- キャッシュレス化が進んでいる
などの理由で
より使い勝手をよくするための
ルールとして整備されたのが
今回の改正「電子帳簿保存法」です。
改正「電子帳簿保存法」で覚えておいて欲しいこと
改正「電子帳簿保存法」の中身は、次の3つです。
- 電子帳簿等保存
- スキャナ保存
- 電子取引に係るデータ保存
このうち
1.電子帳簿等保存
2.スキャナ保存
の取組は、現状では任意です。
3.電子取引に係るデータ保存
だけが、今回の改正により
企業規模の大小にかかわらず
取り組まなければいけないことになりました。
書類区分はこんな感じ
では、飲食店における保存する電子データとは?
具体的には
- クレジットカード等の利用明細
- 電子メールに添付された書類(注文書、契約書、送り状、領収書、請求書、見積書など)
- 発行者のウェブサイトでダウンロードする領収書等
- 第三者が管理するクラウドサービスを利用して授受する領収書等
ま、メールでやり取りしているもので
- 日付
- 金額
- 取引先
が含まれているものです。
飲食店の場合では
自分が受け取ったデータだけでなく
電子で保存しているジャーナルは
電子データです。
(詳細は後半をご覧ください)
電子データの保存法
実は、電子データにはその内容の信ぴょう性を保持するために
「タイムスタンプ」というものを付けることになっています。
相手が大企業の場合でしたら
タイムスタンプ付きの電子データを送ってくるので
受取った側としては
一定のルールに基づいて(後述します)保存すれば問題ありません。
しかし、タイムスタンプの付与にはお金がかかります。
よって、相手が中小企業の場合は
タイムスタンプが付いていない場合も想定されます。
そんな時は、受け取った側で
「電子データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規定」を
備え付けることで【代用】できることになっています。
法人・個人別の事務処理規定のサンプルを貼っておきます。
自社の状況に合わせて作成し、備え付けてください。
(注)タイムスタイプとは
ある時刻にその電子データが存在していたことと
それ以降改ざんされていないことを証明する技術です。
一定のルールとは
STEP1
受け取ったファイルには、次のどちらかの名前を付ける。
その1
以下の3項目
-
- 取引年月日
- 取引金額
- 取引先
サンプル 20220101_200,000_××㈱
その2
①、②、・・・と通し番号を付し
エクセル等で、ファイルの索引簿を作成する。
STEP2
3項目を付けたファイルは
電子データ保存用のフォルダに保存する。
保存先はハードディスク、CD、DVD等
特に制限はありません。
2.飲食店のジャーナル・会計(オーダー)伝票の扱い
まず、飲食店の
ジャーナル(お店保管用のレシート)
会計(オーダー)伝票
には、7年間の保存義務があります。
なぜ、7年間も保存しなくてはいけないのか
飲食店の場合、売上が
「どこの誰ともわからない【第三者】の注文」という
何とも、証明が難しいものから成り立っているからです。
そのため、税務調査の際、根拠となる注文履歴として
ジャーナルや伝票が必要となります。
ここで、もう一度上記の図を見てください。
紙に打ち出したジャーナルや伝票は
内部書類(B)に該当し
1.電子帳簿等保存
で取り扱いが規定されています。
今回の改正がらみで言えば
任意規定の範囲ですから
今まで通り、紙保存で問題ありません。
一方、前半でも触れましたが
電子データで保存しているジャーナルは
3.電子取引に係るデータ保存
に該当するので
電子データの状態のままで
保存しなくてはいけないことになります。
とは言え、紙保存ってやっぱり大変
7年も保存しておくと
害獣・害虫の被害にあったりします。
また、書類保存用に
月々お金を払ってレンタルスペースを
借りている人もいます。
であれば、先を見越して
POSレジを導入して紙保存を
止めませんか。
3.最後に
クラウド上に保存されているPOSレジの売上データは
簡単に、会計ソフトと連動できます。
一旦連動してしまえば、この先ずっと手間いらずです。
折角ですから、連動までやっちゃいませんか?
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